環境に影響を与えるダムを使用しない小水力発電が注目

高所から低所に流れ落ちる水の流れで水車を回すことにより電気エネルギーを得るのが水力発電です。温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーです。

貯水池型と調整池型が分類されます

水力発電の方式はいろいろありますが、まずはダムを造って川の水を塞き止めて、貯蔵し、それを下方にある発電所に落下させて発電させるタイプを解説しましょう。

このタイプには「貯水池型」と「調整池式」があります。川の推量は季節で大きく変化しますが、推量が豊富で電力の消費量が少ない春と秋に水を大きな池に溜め込んで、電力消費が多くなる夏と冬にその水で発電を行うのが「貯水池式」です。

1日24時間の中で電力消費量は均等ではなく日中に大きく増加します。そこで夜間など電力消費の少ないときに発電を控えて、水を池に溜めて、日中に水量を調整しながら発電するのが、「調整池式」です。

これら二つは水の利用面での分類でしたが、構造面での分類もあります。まずは川の上流に堰(せき)を設けて導水し、できるだけ高い落差が得られる場所で取水して発電する「水路式」、ダムによって川の水をせき止めて池を造り、ダム直下の発電所との落差を利用して発電する「ダム式」、日本で一番多いのがこの水路式とダム式を組み合わせた「ダム水路式」で、より高い落差を得られるのが最大のメリットです。

そのほか、電力消費がピークに達する日中に上池に貯められた水を下池に落として発電を行い、電力消費の少ない夜間になると下池の水を上池に汲み上げて、再び日中の発電に備える「揚水式」があります。

ただし水力発電には問題もあります。特にダム式の水力発電は上流地域の水没、下流部での水量の減少、ダム建設による環境破壊とそれが及ぼす生態系への影響、初期費用のコストに対して回収期間が長いなどの問題があるため、ダム撤去の動きが始まったアメリカに習い日本でも脱ダム化が進んでいます。

しかし、水力発電にはクリーンなエネルギーであることと、純国産エネルギーであること、再生が可能であるという捨てがたいメリットがあります。そこで注目されているのが、ダムを造らず、小川や用水路などの僅かならくさや水道管の中の水流を利用して発電する「小規模水力発電」です。「マイクロ水力発電」と呼ばれることもあります。

発電量はダムに依存する従来の方式に比べると大きく落ちますが、電源のない山間部での照明や非常用の電源、キャンプ場などの電源、エコトイレ、遊歩道や夜間トンネルの照明、交通標識、排水や換気のための補助電源など様々な用途に利用されています。